Google スプレッドシートと比較して、Microsoft Excel が決定的に劣る点。
長年のウィークポイントであった同時編集については、Office 365 でほぼ挽回しているようだし、今回ツッコむのはその点ではない。
ズバリ、Microsoft Excel は「行列の削除ができない」。
なんのこっちゃ、という人もいらっしゃるやもしれないが、試しに Microsoft Excel で「空白のブック」(新規ワークブック)を開いてもらいたい。
そして、ワークシートで最大行列のセル(一番右下のセル)を選択する。[Ctrl]+[↓] と [Ctrl]+[→] でキー操作すると早い。行は「1048576」、列は「XFD」になっているはずだ。
その上で、適当な行や列を「削除」してみる。行や列を選択して、右クリックのプルダウンメニューから [削除] を選択する。しかし、表示されている最大行列のラベルは「1048576」と「XFD」のままだ。
言うなれば、選択した行列の削除はされているのだが、域外から削除されたのと同数の行列が追加されている。つまり、ワークシートの行列数は増減しない。
これが「行列の削除ができない」の意味。
Google スプレッドシートの場合は、削除すれば普通にその分行列は減る。
実に単純だ。
一見どうということもない違いではあるが、さに非ず。Microsoft Excel はワークシートの全体像を明示できないのだ。
見えている範囲の表や数値で全てかと思っていたら、極端な話 XFD1048576 のセルにデータが入っているかもしれない。それは実際に調べてみないと判らない。
確かに [Ctrl]+[End] で「最後のセル(右端の使用されている列の、最も下の使用されている行のセル)」へ移動できるので、それで確認はできるが、そうやって意図的に調べないと判らない。
削除できないのなら非表示にするという手もあるが、「見えていないだけで実体としては残っている」というのは混乱の種になるだけだ。
対して Google スプレッドシートの場合、不要な行列をバッサリ後腐れなく削除しておけば、シートの全体像は一目瞭然になる。
実に明瞭だ。
Microsoft Excel はバージョンを重ねても、この辺りの仕様が改善される気配はない。
おそらく高邁なる設計思想に基いているからなんだろうが、それだけにこれからも「決定的に劣る点」として残り続けるだろう。