なお、これは Windows 10 Fall Creators Update + FireFox 58.0.1 の話。
さて、順を追って書いていくのも面倒なので、引掛けポイントを列挙する。
1. FireFox は DHCP による WPAD に未対応
2. FireFox の [システムのプロキシ設定を利用する] は必ずしもシステム設定を利用しない
3. Microsoft DNS Service には「DNS 禁止リスト」がある
1. FireFox は DHCP による WPAD に未対応
プロキシ設定の配布方法には色々な方法があり、その中で一番自動化された方法が WPAD による配布。
さらに、WPAD による配布にも二通りあり、DHCP で配布する方法と、DNS で配布する方法がある。
WebブラウザのProxy設定を行うための4つの方法(WPADのススメ) - @IT
で、FireFox は DHCP による配布には対応していないというわけ。なので、WPAD を使おうとすると、勢い DNS で配布する必要がある。
以下のページで主要ブラウザについてまとめられているが、FireFox のそれは Windows に於いて例外的な挙動。
Browser Support - FindProxyForURL
まぁこういう仕様になっている理由は、概ね類推できるが…足並み揃えて欲しいよなぁ。
2. FireFox の [システムのプロキシ設定を利用する] は必ずしもシステム設定を利用しない
FireFox のプロキシ設定は、デフォルトで [システムのプロキシ設定を利用する] になっている。
そうなっているのは普通に考えるならベターな選択だとは思うが、残念ながらシステム設定を利用してくれない場合がある。
システム(IE)のプロキシ設定: [設定を自動的に検出する]
FireFox のプロキシ設定: [システムのプロキシ設定を利用する]
以上の場合(なお、これが OS & FireFox のデフォルト状態)、当然 IE 側は WPAD を検索して見つかればその設定を使ってくれる。FireFox も WPAD を検索してくれ…そうなものだが、してくれない。
どうも「[設定を自動的に検出する] というシステム設定」は、利用してくれないようだ。なので FireFox で WPAD を利用しようとすると、デフォルトから [このネットワークのプロキシ設定を自動検出する] へ変更しないといけない。
これが意味するところ、プロキシが必要な環境において、FireFox はどう頑張ってもデフォルトで動くようにできないということ。もちろん、FireFox の設定ファイルを自動配布するという手もあるが、本来はネットワーク側の設定だけで解決する話が、わざわざ別途そこまで手をかけてやる必要がある。
これは、心底ガックリ仕様。
なお、念のため確認したところ、macOS High Sierra + FireFox 58.0.1 では再現しない。つまり [システムのプロキシ設定を利用する] でちゃんとシステム設定に従って WPAD を検索してくれる。
…これ、Windows版 FireFox の不具合なんじゃねーの?
3. Microsoft DNS Service には「DNS 禁止リスト」がある
これは FireFox の問題ではないが、関連してハマリかけたので。
DNS 禁止リストからの WPAD の削除 - Microsoft
セキュリティ上の問題で、「wpad」は「DNS 禁止リスト」に入れられている。なので普通に設定しただけでは、問い合わせに答えてくれない。
これは「DNS 禁止リスト」を更新すれば解決。
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Afterfollow 2018/02/13
「2」の現象、Windows XP + FireFox 47.0.2 なんていう化石環境でも再現する。
どうも「不具合」というわけではなく、Windows版 FireFox の「仕様」である模様。
「不具合」であれば、新バージョンで改善するという希望も持てたんだが…。
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